2026年4月26日 S&P500が史上最高値を更新!でも消費者心理は過去最悪──この「ねじれ」をどう読むか

資産運用

S&P500が史上最高値を更新しました。一方で、消費者の心理は過去最悪──。この不思議な「ねじれ」について、今週の動きを整理しながら考えてみます。

■ 今週のS&P500──史上最高値を連日更新

4月24日(木)、S&P500は前日比+0.80%で取引を終え、史上最高値を更新しました。ナスダックも+1.63%と大きく上昇し、こちらも過去最高値です。

4月17日に史上初めて7,000の大台を超えて以来、S&P500は勢いを維持しています。年初来では約4.7%のプラスに転じており、3月下旬に年初来マイナス7%だったことを考えると、わずか1カ月で大きく持ち直しました。

ちなみにS&P500とは、米国を代表する大企業約500社の株価をまとめた「指数」のことです。eMAXIS Slim S&P500は、この指数に連動する投資信託ですので、S&P500が上がれば基準価額(ファンドの値段)も上がる仕組みです。

■ 最大の立役者は「インテル」の決算

今週の株価上昇を牽引したのは、半導体大手インテルの決算でした。

4月23日に発表された第1四半期の業績は、売上高が前年比+7%の約136億ドル。市場の予想を大きく上回るサプライズでした。特にAI(人工知能)関連のデータセンター部門が前年比+22%と好調で、株価は一日で約23%急騰しました。

インテルだけでなく、テキサス・インスツルメンツも好決算で株価が19%上昇するなど、半導体セクター全体が好調です。NVIDIAの時価総額(会社の株式全体の価値)は再び5兆ドルを超えました。

これが重要な理由は、S&P500の中で最も大きな割合を占めるのがテクノロジー企業だからです。NVIDIAだけでS&P500全体の約8%を占めており、これらの企業が上がると指数全体を押し上げます。

■ 決算シーズンは好調──88%が予想超え

インテルに限らず、今回の決算シーズン(2026年1〜3月期)は全体的に好調です。

これまでに決算を発表したS&P500企業のうち、88%が市場予想を上回る利益を出しています。過去10年の平均は76%ですから、かなり高い「打率」です。

S&P500企業全体では、2026年の利益成長率が前年比で約17〜20%と見込まれています。2025年の14%成長からさらに加速する見通しで、企業の「稼ぐ力」は依然として強いと言えます。

■ 一方で消費者心理は「過去最悪」

ここで気になるデータがあります。

消費者信頼感指数(消費者がどれだけ景気に自信を持っているかを示す調査)が、過去最低水準にまで落ち込んでいるのです。

主な原因は、イラン紛争による原油高です。ガソリン価格やエネルギーコストの上昇が家計を直撃しており、一般の人々の景気に対する実感は厳しいままです。

「株価は最高値なのに、みんなの気持ちは最悪」──この「ねじれ」は一見矛盾しているように見えます。でも実は、株式市場は「今」ではなく「半年〜1年先」を見て動くものです。

つまり、マーケットは「イラン情勢はいずれ落ち着く」「原油高も一時的」「企業の利益は成長し続ける」と先読みして、株を買っているということになります。

※もちろんこれは市場の「見立て」であり、実際にそうなる保証はありません。

■ 米イラン情勢──和平協議は混迷

中東情勢は依然として不透明です。

4月21日、トランプ大統領はイランとの停戦をさらに延長すると発表しました。一方で、4月25日(金)にはイラン外務省が「パキスタンでの米国との会合は予定していない」と表明。トランプ大統領も特使の派遣を直前でキャンセルするなど、2回目の直接交渉の実現は不透明な状況です。

4月12日に行われた第1回イスラマバード協議では、21時間にわたる交渉が行われましたが合意には至りませんでした。核問題とホルムズ海峡の扱いが最大の対立点です。

原油価格はWTI(米国の代表的な原油指標)が1バレル約94ドル前後で推移しており、イラン紛争前の70ドル台からは大幅に高い水準が続いています。

※米イラン交渉の行方は日々変化しており、週明け以降の状況は大きく変わる可能性があります。

■ 為替は1ドル=159円台前半

ドル円は4月24日のNY終値で159円30〜40銭でした。米イランの協議期待から一時ドル安(円高)方向に動きましたが、大きなトレンド変化には至っていません。

来週4月30日には日銀(日本銀行)の金融政策決定会合が予定されています。市場では「今回は利上げなし(据え置き)」との予想が大勢ですが、植田総裁の会見内容によっては円高方向に動く可能性もあります。

「利上げ」とは、日銀が金利(お金を借りるときのコスト)を引き上げることで、一般的に円高要因になります。円高になるとeMAXIS Slim S&P500やオルカンの基準価額にはマイナスに働きます。ただし、これは短期的な影響であり、長期的にはS&P500自体の成長のほうがはるかに大きな要因です。

■ ウォール街は強気──年末予想の中央値は7,650

主要投資銀行21社の2026年末S&P500予想の中央値は7,650です。最も強気なオッペンハイマーは8,100、慎重なバンク・オブ・アメリカは7,100を予想しています。

直近では、JPモルガンが4月21日に年末予想を7,200から7,600に引き上げました。AI関連の設備投資が加速していることや、決算の好調さが理由です。

※これらはアナリストの予想であり、投資成果を保証するものではありません。予想は今後の状況によって変更されることがあります。

■ 来週の注目──超重要イベントが目白押し

来週はマーケットにとって非常に重要な1週間です。

FOMC(米国の金融政策を決める会合)が開催されるほか、ECB(欧州中央銀行)、日銀、BOE(英国の中央銀行)と、主要国の中央銀行の会合が集中します。

さらに、マグニフィセント・セブン(アップル、マイクロソフト、アマゾン、メタなどの巨大テック企業群)の決算発表も控えています。これらの企業の業績が予想を上回るか下回るかで、S&P500全体の方向感が大きく変わります。

■ 積立投資家へ──「最高値だから買わない」はもったいない

S&P500が史上最高値を更新すると、「今から買うのは高値掴みでは?」と不安になる方もいるかもしれません。

しかし、過去のデータを見ると、S&P500が最高値を更新した後に投資しても、長期的には利益が出ているケースがほとんどです。なぜなら、株価は長期的に右肩上がりで成長し続けているからです。最高値は「天井」ではなく、「次の成長への通過点」です。

もちろん、短期的には調整(値下がり)が来ることもあります。JPモルガンも「短期的にはいったん調整する可能性がある」と指摘しています。

でも、毎月の積立投資であれば、高いときも安いときも自動的に買い続けるので、タイミングを気にする必要はありません。これが「ドルコスト平均法」の強みです。

eMAXIS Slim S&P500やオルカンを積み立てている方は、最高値でも安値でも、やることは同じ。淡々と続けることが、長期で資産を育てる一番の近道です。


※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いいたします。記事中のデータは2026年4月24日の米国市場終了時点の情報に基づいています。

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